名古屋帯『りんご守り』3 緑の絹糸の海、試し刺し

ゆっくりゆっくりとした進みですが、名古屋帯「りんご守り」、やっと葉っぱやりんごを刺し始めました。

まずは糸のご紹介!

華やかな緑色の糸たち

帯地の夜空のような紺色にすごく生えます!

実は緑色は80色ほど持っているので、選ぶのも楽しいのです。(2つのブランドを持っています)

 

だってね、たくさんの中から不思議とこれじゃなきゃって色が見つかるのです。

 

黄味の強いもの、青みの強いもの、グラデーションで、濁った色味、クリアな色味、輝いているもの、暗い、また濁った色味などなど、それぞれ美しく、まるで絵の具のようで見ているだけで嬉しくてたまりません!

葉脈はしっかりしたろざし糸の緑の錦糸で、なんて考えているともうよだれが垂れてきそうな感じです。(^O^☆♪

さあとりあえず試し刺し!

左下の葉っぱはちょっとわかりにくいですが、『地引き』をして、『切り押さえ』しながら『継ぎ針ぼかし』というテクニックでグラデーションを出します。

木や猫、またこれから刺すりんごが『乱れ刺し縫い』というちょっと重めのテクニックなので、軽やかで静謐な日本刺繍らしいものにするためです。

上のりんごは緑の下糸で肉入が終わった状態です。これからこの上に糸をかぶせていきます。

帯という用途上、あまり盛り上げすぎない方が良いのですが(*´ω`*)

下のりんごは『刺し縫い』で、りんごのそばの小さな葉っぱは『割縫い』で。

葉脈を葉っぱに入れればまた雰囲気も変わります。小さな葉っぱの葉脈は『駒がけ』で、大きな葉っぱのものは『まつり縫い』で。

色やテクニックを確認しながらの作業なので、決定するまでは変更もあります。

それも含めて楽しい楽しい!

刺繍って、私にとってはまるでダンスのようです。

頭の中に心地よい音楽が流れ、軽やかな気持ちになり、優雅に体が(主に手ですが(⌒-⌒; ))動き出します。

そして、こんなに大変な世の中で、好きな刺繍に没頭できる幸せをしみじみ感じます。

それを許してくれる家族、そして何より、『刺繍の神さま』に深いお礼と感謝を捧げたいです。

3D刺繍アーティスト : Junco Ishihara (石原順子)

 

 

 

 

 

 

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