今右衛門の色鍋島に触発されて

そごう美術館で開催されている『今右衛門の色鍋島 人間国宝の技と美』展に行って来ました。

色鍋島とは肥前(現在の佐賀県と長崎県の一部の旧国名)鍋島藩の藩窯、大川内窯で生産された色絵磁器の事で、藩政時代には主に献上用、贈答用として製造されたそうです。

簡単にいえば、特権階級のための特別な磁器だったというわけですね。

平日の午後4時過ぎという時間に行ったせいか、鑑賞している人はまばらで、ゆっくり堪能することができました。

 

とにかく感動!の一言でした。14代今泉今右衛門氏にお会いしたい!と思ったほどです。(笑)

伝統的な美しい色や意匠の素晴らしさは勿論なのですが、なんといっても感動したのはモダンな新しいテクニック、墨はじきプラチナ箔でした。

まず、下の雪の結晶とシダの模様に使われているのが墨はじきです。簡単にいってしまえばグレーのグラデーションですが、モダンで美しいな、と感じました。今、私自身がモノトーンに心惹かれているからでしょうか。

雪の結晶とシダの葉というモチーフもオシャレですよね。アクセサリーとして展開できそう、と感じました。

こちらの写真はプラチナ箔のざくろです。見る角度で色が変わって見えるこの箔はゴージャスで魅力的です。ざくろも可愛いモチーフだと思います。

そして、前からよく知っていたはずの『雪輪』の模様が強く心の中に入り込んで来ました。今右衛門の作品の中に、とてもモダンに使われていたのです。見ていてドキドキしました。残念ながら写真がないので、別の資料から引いてみました。こちらはいかにも和風で伝統的な模様ですね。

今右衛門展では雪輪の輪郭の中に雪の結晶があったりして、これも女性のための装飾品のモチーフにぴったりなのでは、と思いました。中の模様を色々変えるというのは昔からよくあるようですが、この輪郭はなかなか素敵!と改めて思いました。

 

私は、いつも魅力的なモチーフ、表現方法を模索しています。

 

なので、美しいものの展示会があると聞くと飛んでいきます。今右衛門展と同時期にラリックの香水瓶の展示会にも行きました。そちらも本当に素晴らしかったです。図録ばっかり増えて困るなあ(>_<)

今回は磁器なので、正直何度も見て来たものだし、古典的な模様も結構知っているし、とあまり期待しないで足を運んだのですが、自分の知識の浅さに呆れてしまいました。

会場には14代今右衛門氏のビデオが流れていたのですが、人間国宝となった今でも(まだ50代なので十分お若いのですが)、先代達へのリスペクトを抱きながら新しい技法にチャレンジするとおっしゃっていました。

小さな私の狭い知識と乏しい経験にとらわれず、スピードを持って制作していこう、と決心した一日でした。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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