日本刺繍京繍の伝統工芸士長艸夫妻のアトリエ兼ギャラリー、長艸刺繍功房 貴了庵に行ってきました

祇園祭り迫る、熱気あふれる京都に行ってきました。

街は祭りに向け準備に余念がなく、デパートのショーウインドウはもとより、宵山の灯篭もどきがあちらこちらに(^_^)

四条烏丸の大丸デパートのショーウィンドウです。

これはお菓子のパッケージです。下の山鉾巡業のイラストは、お土産店のディスプレイパネルです。

地下道にもこんなかわいいディスプレイが。

さすが国際観光都市京都ですね。街をあげての祇園祭推し、です

でも、今回の私の目的は祇園祭ではありません。

私の作品を見たい、と言ってくれた友人二人に作品を見せることと、前々からの念願だった日本刺繍、京繍の伝統工芸士ご夫妻のアトリエ兼ギャラリー『長艸繍巧房 貴了庵』に行くことです。

このアトリエのあるじ、長艸敏明氏は1994年、パリのバガテル城で能衣装と小袖展を4ヶ月間行い、翌年にはパリのエルメス本店のショールームで能衣装を展示、さらにデザイナーに請われてジャン・ルイ・シェレルのドレスの刺繍を担当したというすごい方です。さらに祇園祭の山鉾の見送り幕や、飛騨高山の屋台懸装など文化財の修復もされています。

ただ当時は全く私はそのことを知りませんでした。まだ刺繍を学ぶ前でした。

ただ、1989年前後くらいに購読していた『エルデコ』というインテリア雑誌に『繍司の家』というタイトルでご夫妻の記事が出ていたのです。

とても美しかったので、そのまま大切にファイルしていました。

この竹生島模様の能装束にとても惹きつけられました。20年前の雑誌の記事なので美しさがいまいち伝わらないかもしれませんが……..。

その後、何度もいろいろな美術館で能装束展を観に行きました。思えばこれが原点だったのかもしれません。

これは貴了庵でいただいた刺繍作品の絵はがきです。

お邪魔した貴了庵は風情ある町屋造り。前述の友人二人を引っ張っていきました。平成21年にオープンしたこの施設を見学可能と知ったのはつい最近です。それでも20年越しの願いが叶うとあってハイになりました。

ところで自宅から京都に向かう前日、ついていたテレビを消そうとしたら、なんとBSで、長艸氏のパリコレ参加のドキュメンタリーをやっていました!まるで天啓のような偶然、予習しなくちゃ!と視聴しました。ホントびっくりです。こんなことってあるのですね。番組は2002年のものでした。

お会いしたお二方はとっても気さくで、私のメチャメチャ初心者な質問に丁寧に答えてくださいました。

一番印象的だったのは、糸のより方に付いてでした。

京繍は江戸刺繍より糸よりが緩やか、と聞いていたのですが、そんなことはなく、刺すものによって、ということでした。長艸家はもともと能装束を刺す家のため、糸をよらないでそのまま刺す(それが能衣装の決まりだそうです)能衣装の作品がよく紹介されていたからなのでしょうか。

また、京都と東京では糸の太さが違うそうです。これは京都で以前糸を買った時に感じていました。

蚕が出す糸を一本の糸として束ねる本数が違うそうです。

糸は両手を使ってよるのですが、手のひらで転がしその先の指は糸を迎えに行く、ということでした。今度よるときは意識してみようと思います。もっとも、されない方にはなんのことかさっぱりわからないとは思いますが。(^◇^;)

他にも色々お話は尽きず、あっという間に楽しい時間が過ぎました。一緒に行った友人たちは刺繍をしていないので、あまりにもマニアな会話はどうかと心配でしたが、それぞれ楽しんでくれたようでした。

ただ、会話に夢中で肝心の作品をじっくり鑑賞できなかったことが心残りです。でも、また行けばいいや、と思いました。

その後、錦市場で友人と食べ歩きをしました。

京都生まれ、京都育ちの友人の話では、この市場の賑わいは近年のものだそうです。外国人がいっぱい!

とにかく京都は今更ながら、たくさん魅力的な顔を持つ、心ときめく素敵な街です

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

 

 

 

 

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