着物を着るということ〜半襟から始まった着物への思い〜

最近は”和”に寄った日本刺繍中心の作品を発信してきました。そして、

制作した半襟(唐花と雪輪)をつけた着物を着てみました。

なんだか短くなりつつある秋をいとおしむように、銀杏が黄金色にひかり輝く美しい日でした。

着物はなかなか着る機会がなく、やはり一人では着ることができません。けれど、

 大好きです。

なんといってもその着心地!成人式の振袖から着物を着たのはおそらく10回ほどですが、不思議と窮屈だとか苦しいと思ったことがありません。むしろ体が優しいコルセットにくるまれているようでここち良いのです。

そして襦袢のとろりとした絹の肌触り

これはちょっと他の衣装では感じることはできない感触だと思います。豊かで優しい感触は着ている自分自身がとても大切に扱われている気がします。一気に自己肯定感が高まります。

体を一枚の布で覆っているように見える着物スタイルはなんといっても豪華で、街なかを着物で歩けばとても目立ちます。いつもの5倍は褒めてもらえます。

ところで、前々から疑問に思っていることがありました。知識がないだけかもしれませんが、アクセサリーがないのです。もちろん指輪やかんざし、根付、帯留め、扇子など、ないわけではありません。でも、なくても構わない感じです。というより、着物だけで完成していて、必要ではないのかもしれません。

着物、帯、帯揚げ、帯締め、半襟などそれぞれの色や柄、素材の組み合わせでハイスペックなおしゃれが楽しめ、個性を表現できる素晴らしい装束です。

なので、日本刺繍を習い始めた時、必ず素敵な半襟を刺してワンランク上の着こなしをするぞ、と心に決めていました。

今回着付けてくれた美容師さんは、『今まで振り袖の着付けを何度もしたけど、こんなに綺麗な半襟は見たことがないから、できるだけ襟が見える着付けにしましょう。』

そして、写真を撮る時着崩れを直してくださったマダムも、『素敵な半襟ね〜、キレイね〜。』

最後に、着物をクリーニングに出す時呉服屋さんに、『こんな綺麗な半襟はつけると汚れちゃってもったいないから、洗ったら額に入れて飾りなさい。』!!!!(◎_◎;)

などなど、最高のお褒めの言葉をたくさんの方々からいただきました。ワンランク上の着こなし、できたでしょうか。

余談ですが、この着物を着るときの襦袢にはもともとミシン刺繍した半襟がついていました。その状態で着ていた時は、揺れないタイプの、耳たぶにフィットする真珠のピアスをいつも付けていました。似合うと思っていました。でも、今回はつけませんでした。手刺繍の半襟にはやっぱり不要に思えたからです。使った帯締めは金とピンクのリバーシブルだったのですが、美容師さんが、『ピンクかな、と思ったけど、半襟を生かすには帯に同化する金の方がいいわね。』と言ってそうしました。半襟の力、恐るべし、ですね!

いい気になって、帯も刺繍してみたい、利休バッグも、数寄屋袋も、袱紗も、とますます着物への思いは強くなっていきます。

最後に、あまりに銀杏と私の着物のハーモニーが素晴らしかったので(自分で言っちゃう(//∇//))後ろ姿の写真もお見せします。お付き合い、ありがとうございました。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

 

 

 

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