帯前2の図案のメイン、りんごの上に寝転がる猫ちゃんが刺せました!
こちらです!
なんかすごい!かわいい!
と、自分でも思ってしまいます。
画像では分かりにくいけれど、毛は(もちろん、絹糸)つやつやと輝き、肉入れ(日本刺繍の技法のひとつ、立体感を出すための下抜い、盛り上げ縫い)の効果でまるで生きているかのような立体感。
インスタのフォロワーさんが『撫でてあげたい!』と言ってくださいました。
リアルを目指す、というより ”いのちの輝きを表現する” がモットーなので、モデルのうちのニャンコと彼女を撮った写真をもう穴のあくほど見つめて見つめて観察して。
以下が過程です。
まず一番低いところを刺して………。
次は上の部分となる右前足、後ろ足。
動画を撮ろうとしたのですが、4、5本同時に針を使ったり、糸が重なる部分は指ぬきを使ってぐいぐい針を押し込んだりとあまりに繊細でかつ力仕事の上、気がついたところを調整しながらというとんでもなく複雑な作業。
何度もトライしたのですが、刺す方がおろそかになりがちでこれでは本末転倒だ、と断念しました。(T ^ T)
それでもなんとか完成!
と、思ったのですが、
表情など気になる部分をさらに調整して、トップの完成画像になりました。
ところで、
絹糸って、まさに生きている糸だなあと思います。
確かに、蚕の繭から作っているのですから、そう表現しても間違い無いのですが、不思議と私のいうことを聞いてくれたり、これは違うよ!と逆らったりするのです。そうして出来上がった作品(猫)は満足げなかわいいぷくっとしたお口やら、ふかふかした脚やら、本当に生きているように見えます。
日本刺繍はどちらかというと、静謐で様式化された美しい模様や手法を思い浮かべがちで、私もそれにとても惹かれるのですが、こういった表現もできるのだな、と感動しています。
そして、様々な刺繍を経験して、◯◯刺繍とは、と言ってしまいがちですが、今はボーダーレスな表現があってもいいんじゃ無いかな、と思っています。
さあ、あとは猫ちゃんが寝転ぶ、散らばったりんごを刺すのみになりました。
3D刺繍アーティスト : Junco Ishihara (石原順子)