名古屋帯『りんご守り』9 帯前デッサン

お太鼓も刺し上がり、さあいよいよ帯前です。

 

『りんご守り』の名の通り、摘果されて地面に落ちたりんごを狙って集まるネズミ駆除のため、猫は働きます。

と言っても、そこは猫ちゃん、りんごの上にゴロゴロとしたり、ネンネしたりしています。りんごは冷たくて気持ちいいんでしょうね

そんな様子を帯前デザインにしています。

 

帯前は横長なので、全体図はこちらです。小さな三角で中心を表しています。帯のどの位置にどんな図案が来るかも思案のしどころです。

猫もりんごも刺し方は今までのものと基本同様で。

ただ、重くなりすぎないよう、数の多いりんごは今までの刺し縫いに加え、まつり縫いでアウトラインのみで表現するもの、また菅縫いで日本刺繍らしく軽やかに表現するものなどを混ぜていくつもりです。

 

ところで、帯前は帯を半分に折って使います。なので、今回は重めのメインの図柄と、軽めのサブの図柄を用意しました。

つまり、リバーシブルですね!

ひとつの帯でふた通りの異なる柄ゆきが楽しめます。

サブの方はりんごの枝に近づく蝶をデザインしました。

繊細な蝶なので、どう刺したものかと悩みますが、なんとかしたいです。

こちらもメインの図案と同様に全体像を。

もう少しりんごの枝の位置を上にあげてもいいかもしれません。細かい調整が必要ですね。

 

ところで、先ほどから表裏の図案に乗っかっているビオラは私が育てているものです。

春の訪れを感じさせてくれるので、刺繍とは関係ないのですが、ちょっとのっけてみました。

そのあとはガラスの小さな花器に浮かべて玄関へ。

頑張れ!と背中を押してくれているようです(^。^)

3D刺繍アーティスト :  Junco Ishihara (石原順子)

 

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