袋帯『奏でる』一面の進捗状況

この帯はダブルフェイス、と前々から発信しています。

その一面の進捗状況、八重桜のひと枝の面です。

まず、枝の先の若葉の下縫い状況。

カワイイですよね〜。

猫ちゃんではありません!葉っぱです!

自己満ですが、初々しく柔らかい若葉の雰囲気が出せたので、気持ちがホワホワしてしまいました。

テクニックとしては、葉っぱを地引きした後さらに上から切り抑えしています。

わかりやすくいうと、一度刺した上に最初の糸が浮かないよう細かくもう一度押さえ刺しするのですが、ただ抑えられるだけではなく、優しい艶がプラスされます。そして優雅な立体感が生まれます。

刺し始めたばかりなのに、我ながらうっとり。

さらにさらに葉脈を入れ、後ろ向きに咲いている花を菅(すが)縫いもじり押さえで刺し、

他の葉っぱも同様に、そしてガクやシベも入れました。

お花以外は刺せたって事ですね。

帯として、正規の角度で見るとこうなります。

 

本当は年内にこちらの面は刺し終わる予定でしたが、なかなか予定通りに進みません(*´ω`*)

それでもこれから華やかにまたまた八重桜、咲かせていきます。

画像にはもう一面のビワのバチも見えています。こちらも早々に取りかかって起こしていかなくては。

図案を刺繍する、というより本当にモチーフを起こしていく、といったイメージが湧き上がります。

自分で刺しているのに、なんだか秘密のドラマを経験しているような…………..刺繍って本当に素晴らしいです。

 

Junco Ishihara :日本刺繍作家

 

作品やホームページに関するお問い合わせはこちらからお願いします。