制作過程その5、オレンジ色の蝶々が完成しました。
コアラの手の上に乗せる蝶々です。シルバーグレーのコアラには良いアクセントになると思います。
とても繊細な蝶々なのでわかりにくいのですが、オレンジ部分はレーヨン糸と絽刺し糸でグラデーションを出しています。絹糸を使いたかったのですが、持っているオレンジ色が思うようなイメージではありませんでした。
羽の黒い部分は極小の黒いスパングルと極小ビーズです。スパングルは良いのですが、ビーズの穴が1㎜もないので、針が通らず苦労しました。アリワーク用のかぎ針は30本近く持っていますが、一番細いものでも通るビーズと通らないビーズがあり、通るビーズをより分けながら刺すので、思いの外時間がかかりました。それでも、繊細な蝶々を表現できるのですから、苦になりません。
あとは布から切り抜いて、コアラの手の上にとじつけるだけです。
刺しながら、自分が刺繍講座に通って様々な先生方に教えていただいた時のことをふと思い出しました。糸の扱い方、状況によって針を変える方法などなどです。
中でも初めてフランス刺繍を教えてくださった、ヴォーグ校の開田美代子先生が、『刺しすぎは野暮よ、穴が開いちゃうくらいの方がいいの。』とおっしゃったことが忘れられません。刺繍に現れる清々しさや勢いをお伝えになりたかったのだと思います。
さあ、後はいよいよ背景を残すだけになりました。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。