極小利休バッグ『コーヒーチェリーハンモック』2制作過程・肉入れ

しばらくぶりの投稿です。

以前投稿した『コーヒーチェリーハンモック』、やっとやっと取りかかりました。

実は外国に赴任していた夫が帰国し、断捨離やらで諸々家の中がガタガタして、なかなか刺繍することができませんでした。

久しぶりに刺しながら、あ〜刺繍って癒しになる〜

と、変な言い方ですが、うっとりしています。

刺繍といっても、今日取りかかったのは『肉入れ』です。

『肉入れ』とは日本刺繍のテクニックです。

刺繍に立体的を出すため、別糸で(同じ糸の場合もありますが)本刺繍の前に盛り上げ刺しをするのです。

他の刺繍では『パディング』といいます。

肉入れが終わると下の写真の我が家の愛猫『モカ』のリアルな毛並み通りに今回はよりをかけない釜糸で刺していきます。

動物のリアルな毛並みの刺繍は実は初めてです。

ドキドキで、先はまだまだ長いのですが、刺繍できる喜びをかみしめています。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

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極小利休バッグ『コーヒーチェリーハンモック』1デッサン

利休バッグも3作目。これでこのバッグへの理解が深まることと思います。

今回は極小、と言っていいのかわかりませんが、小さなバッグを作ります。

サイズは横20cm、高さ11.5cm、マチ幅は10cmにしようか8cmにしようか、バランスを見て、と思案中ですが、いずれにしても小さなものになります。

今回のデザイン、テーマは私の愛猫。こちらです

コーヒーチェリーのハンモックの上で眠っている、というデザインです。

以前から、実物(みもの)が大好きで、特にコーヒーチェリーと呼ばれるコーヒーの実がとても気になっていました。実の中の種が飲料のコーヒーになりますが、フレッシュな果実はサクランボのように可愛らしいです。

いつかモチーフにしたいと思っていました(^o^)

愛猫が子猫の時の写真を見ていたら、このネンネしているものが出てきて、コーヒーチェリーのハンモックで寝かせて見ましょ、とデザインしました。

秘蔵の黒いスワロフスキーのファスナーも使って、うんと可愛らしいバッグにするつもりです。

今週はとても忙しく、一週間は取りかかれませんが、今からとても楽しみです。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

 

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横長利休バッグ『パンジーウェーブ』8完成!

とうとう横長利休バッグ『パンジーウェーブ』

完成しました

可愛いデザインですが、でしゃばりすぎず、持ちやすいものになったと思います。

そして、持ち手カバーをつけたのがこちら

カバーはマグネットで簡単に装着できます。

絹地の持ち手はどうしても汚れますから、カバーがあれば安心です。

今回は横長デザインのせいか、とてもひっくり返しにくかったです(´;ω;`)

芯材についても色々考える点があり、夢中で作った一作目と比べ、検証しながらでしたので思いのほか時間がかかってしまいました。

同じ利休バッグとはいえ、前回とは少しデザインを変え、帯地も違うので、やはり勝手が違いました。

同じものを作っても、素材や条件によって臨機応変に変えなければなりません。

ものづくりの難しいところであり、また面白いところです。(^-^)

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

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横長利休バッグ『パンジーウェーブ』制作過程7持ち手カバー

実はもう縫製は終わり、最終段階です。

次回に完成品としてお目にかけることができると思います。

今回は持ち手カバーを久しぶりにオートクチュール刺繍のアリワークのテクニック、『パニ』で刺しています。

動画を撮ってIGTVでインスタにアップしたのですが、どういうわけかPCにアップすることができず、途中経過を写真でお見せします(ーー;)

この写真では半分くらいですが、実際はもう完全に指し終わっています。

利休バッグは基本絹地などの布なので、同素材で持ち手を作ると汗で汚れてしまいます。

前回は持ち手のみポリエステルで作りました。ポリエステルなら拭く事ができるからです。

今回は繊細な色なので同色を探すのは難しく、stayhomeで店舗で探すのも不可能なので、カバーをつけることにしました。

バッグの雰囲気を損ないたくないので、同じ生地で汗が防げるようチェコビーズ、クリスタル、クラッククォーツをつけています。

『パニ』は刺していると、いつもダンスをしているような気分にしてくれる楽しい刺繍です。動画を直接アップできなくて残念です。・゜・(ノД`)・゜・。

それにしても、手持ちの材料によくイメージ通りのものがあった、と胸をなでおろしました。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

 

 

 

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横長利休バッグ『パンジーウェーブ』制作過程6個別パーツ完成

ふ〜!!!

あともう少し、もう少し

利休バッグの全てのパーツが整い、組み立てて縫うだけです。

確かに恩師の言葉通り、今回は検証しながらなので、一歩一歩確実に、という感じで作業を進めています。

前回は一体どうしていたのかしらと思うほど、考え込むことが多かったのは自分でも驚きです。やっぱりこちらも恩師の言葉通りで、無我夢中だったんですね(^◇^;)

その証拠がこれ!

型紙に書き込む書き込む!

2度目はこうするとより美しくなる、というポイントを型紙に徹底的に書き込んでいます。

それでも次回はさらにこうしてみよう、ということが出てきて考え込み、しばしば手が止まります。

加えてコロナ騒ぎで材料を新しく見に行ったり、お店の人に相談したりができないので在庫をかき回したり、ネットで調べたりと本当に大変でした。

私にはハンドバッグづくりの恩師が二人います。

お一人はすでに他界されているのですが、この方はいつも『頭は生きているうちに使うのよ!』とよくおっしゃっていました。チャキチャキの江戸っ子なので、ちょっと威勢の良い口調でしたが、私は『ほんとに先生のいうとおり!』と心の中で返しています。

教えていただいている間は受け身で言われるがままでしたが、自分で考えて行動してみると、驚くほど理解が深まります。

そして、メチャクチャ楽しいです

昔、職人さんは”習うんじゃねえ!見て覚えるんだ!”などと言われたようですが、そうだなあ、と納得してしまいます=(^.^)=

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

 

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横長利休バッグ『パンジーウェーブ』制作過程5着々と

前回アップしていた制作過程の小物ができました。

ものすご〜く慎重に糊貼りしたので、美しく縫うことができました!

こちらが縫っている最中の写真です。

革用のアームミシン(縫うテーブル部分が狭く、筒縫いなどがスムーズに行なえる)で縫っています。とても強力なので、段差も楽々、芯がたくさん入って分厚くても安心して縫うことができます。

写っているお魚は目打ち。

ミシン縫いのガイドをしてくれる心強い相棒です。握った感じが手にしっくりきてとっても気持ちがいいです

持ち手、ファスナー引き手共に端から2ミリで縫うので布から針を落とさないよう必死です(;゜0゜)

しっかり糊付けして一日置いて乾かし、縫い目が来る位置を潰して潰して平らにして縫いやすくします。

今回、スムーズに綺麗に縫えたので、とっても自信になりました。

そしてこちらはあおりと呼ばれるサイドポケットになるパーツです。

利休バッグはこのサイドポケットがお約束。

そしてこちらはバッグ本体の内袋。

この写真でははっきりわかりませんが、3個ポケットをつけています。

今回横長のバッグなので、開けやすいようファスナーはセンターから観音開きするタイプにしました。

これも利休バッグではよく見られます。

私はファスナーにスライダーをセットすることに苦手意識があったのですが、はたと思いついてYouTubeでスライダーの取り付け方を見て『なるほど!』と納得しました。

ちょっとしたことでスムーズにでき、こちらも自信になりました。もう持ち手縫いもスライダー入れも怖くない!

便利な世の中になりましたね。

このバッグが完成したら、私もYouTubeで刺繍しているところをお見せしようか、などと大胆なことを考えています。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

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横長利休バッグ『パンジーウェーブ』制作過程4小物作り

利休バッグの刺繍が終わり、いよいよ形にします。

以前、バッグ制作の先生から、

『ひとつのデザインのバッグを3回作りなさい。1度目は無我夢中で作るから細かいことを忘れてしまう。2度目は検証しながら作る。3度目で納得してやっと自分のものになる。』

と言われました。

なので、3回利休バッグを作るつもり。o(^▽^)o

でも、せっかく作るならサイズを変えてみようと思います。

前回は小ぶりでしたがスタンダードな形でした。

今回は縦のラインが強調される着物に対してバランスが良いだろうと高さを以前より低くして横長にしています。

だから、こんな横長の図柄のデザインができます。

型紙ももちろん新たに作りました。

生地を裁断してまずは小物作り!

時節柄か、マスクですか?と聞かれたのですが、これはファスナーの引き手です。

私、いろいろな道具、持ってるなあ。

ちびっこの恐竜みたい!なんて思ったのですが、こちらは持ち手。

本体と同じく銀通しの薄紫の絹の帯地ですが、まるまるとかわいらしい形にするためにたくさんの芯を使っています。

紐芯、スポンジ芯、牛革、不織布のスプリトックタップというシール芯、4種類も使いました。

それをしっかり糊貼りして、ミニクリップで固定して一晩置きます。

糊ばりがうまくされていないと、美しく縫えません。

今は亡き恩師の

『糊の付け方でその人の腕がわかるのよ。』

という声が聞こえてきそうです。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

 

 

 

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マガジンハウス・クロワッサンの連載『着物の時間』に掲載していただきました

本日発売のマガジンハウス社の雑誌クロワッサン1020号の人気連載『着物の時間』に掲載していただきました。

この写真はその時着付けの方が私のスマホで撮ってくださったオフショットです。

掲載されている写真は美しい新緑バックでもっとずっと素敵です

今回、着物好きの刺繍アーティストとして紹介していただきました。

目次欄に連載名と共に私の名前があり、とってもとっても感動しました。

頑張らなくっちゃ、と思いも新たです。

掲載の件だけでなく、編集の方、カメラマンの方、ヘアメイクの方、着付けの方、それぞれ繊細な気遣いと確かなお仕事を目の当たりにさせていただいて、感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

ところで撮影時はまだ新型コロナも対岸の火事といった感じで世の中はまだまだ穏やかな雰囲気でした。

なんとなく沈みがちの毎日の今日この頃でしたが、発売早々見てくれた友達の『気持ちが華やかになったわ。』という嬉しい声を聞いて、私も元気が出てきました。

この着物は結婚の時に母が誂えてくれたもの。

白生地を買って見本を見て染めてもらったのですが、出来上がってきたものを見てびっくり!見本はおとなしいピンクだったのに、仕立て上がってきたら『え〜!これ私が着るの!』と叫びたくなるほどの鮮やかなピンク。

それでも着るたびほめられる、思い出いっぱいの顔映りの良い『美人になっちゃう着物』です(〃ω〃)

同時に一越縮緬の素晴らしい着心地は自己肯定感を高めてくれ、作ってくれた母の愛を全身にまとっているように感じます。

今日は全ての人に感謝を捧げ、ご健康を祈りたいと思います。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

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横長利休バッグ『パンジーウェーブ』制作過程3刺繍完成

前回は妖精部分の刺繍をお見せしました。

ボリュームがあまりないので、刺繍、できてしまいました

とりあえず、やはりスター的な蝶々の部分をどうぞ。

まずブルーのパンジーに使った青糸と白い糸を混ぜて地引縫い。なんとも言えない艶やかさは絹糸ならでは。その上に銀糸で十字組み縫いをしています。自分でもうっとりする美しさです。

輪郭は2種類の銀糸をまつり縫いと駒がけで刺して、ポイントにロジウムメッキのかなりメタリックな極小ビーズを留めています。

そしてセンターにはオパールカラーのラインストーン。夢のようなバタフライになりました。

なかなか布や糸本来の美しさが写真ではでませんが、雰囲気は感じていただけそう

そして、残りはウエーブとして表現しているパンジー達。

華やかな妖精や蝶ではなく、私の中ではこちらが主役です。

密かに花の繊細なグラデーションはもとより、葉っぱの糸をよりをかけたもの、かけない釜糸、銀糸を混ぜたもの、などいろいろ表現を混ぜて表情を出してみました。

わかりやすく『パンジー』としていますが、実は我が家のベランダのヴィオラ(小型のパンジー)がモデルです。

この写真はなぜか端正に写ってしまいましたが、茎がきゅ〜んと野放図に伸びたりして、面白いなあ、ウエーブしてる、と思ったことがインスピレーションの源です。妖精がぶら下がってるのかも、なんてね。

日本刺繍の利休バッグといえば宝づくしやお花などが定番ですが、私独自のものを作ってみたかった。

そして、前回の利休バッグはスタンダードな形のモダンな黒色のものでしたが、今回は横長で背が低く、かろやかな薄紫と水色メインのかわいいバッグです。

2枚目の写真の青いしつけ糸は十字が天地、つぼのような形は持ち手付け位置、左上に見えるアールはまさに左上部の印です。華奢で小ぶりなものになります。

明日からまた型紙を作らなくては。

ところで、このコロナ騒ぎで皆様の生活も随分と変わってしまったかもしれませんね。

私も、このバッグを作るにあたって、ファスナー(蔵前のK ファスナー)、型紙作りのための地券紙(かばん屋さんのキット)、足りなくなった絹糸(京橋の越前屋)、持ち手用の撥水ポリエステル布(新宿のオカダヤで買いたかったけれど、実店舗もネットショップもお休み!なので楽天の中の布地のお店ソールパーノ)などなど全てネットや電話注文で調達しました。( ̄◇ ̄;)

結構何でも自宅にいながら買えることに気づいたのですが、その存在を知っている、品番だけ伝えれば買えるものばかりでなく、実店舗で直接見ていろいろ比べて買えることがやっぱりいいな、と思いました。偶然出会う素敵な素材や、馴染みの店員さんが奥からこっそり出してくれるもの、その時にしかないものなんかがあるからです。

何を勝手なことを!生活そのものが脅かされている人がいるのに、と自分でも思うのですが、本当に今までの日常は当たり前ではなかったと今更ながら痛感しています。

私に今何ができるのか、逡巡しています。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

 

 

 

 

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横長利休バッグ『パンジーウェーブ』制作過程2刺繍開始

塞ぎがちな空気を吹っ飛ばそうと、のびのびっと元気な春の妖精をご紹介!

とはいうものの、私もなんだか気持ちが沈み、なかなか手が進みませんでした。。・°°・(>_<)・°°・。

刺繍している絹の帯地は銀糸が所々のぞく美しい薄紫色なのですが、写真に撮るとこんな色。

以前、カメラマンの方に『紫は最も再現が難しい色』と聞いたことがあります。確かにそうですね〜。

実物を見ていただけるといいなあ、としみじみ思います。

それでも、妖精は生き生きと素敵にさせました。

髪や肌、ドレスを刺している絹糸に毛金、毛銀と呼ばれる最も細い金、銀糸を混ぜていますが、不思議な立体感が出て、まるで生きているようです

パンジーに飛びついて揺らすいたずらもの。刺しながら私も思わずくすりと笑えてしまいます。

自分の作品に元気をもらえてる

手仕事って癒しですね。そしてある意味祈りでもある、そう思います。

3D刺繍アーティスト Junco Ishihara (石原順子)

 

 

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