利休バッグ『ティアラと蝶々』制作過程2 クリスタルとビーズにアイロンをかけてみた!

今、制作中の利休バッグ、『ティアラと蝶々』のためにクリスタルとビーズに試しにアイロンをかけてみました。

このバッグは、日本刺繍メインで刺繍して、クリスタルとビーズも加えます。当然糊付けしてアイロンをするので、クリスタルやビーズがアイロンに耐えられるのか確認したかったのです。

今までオートクチュール刺繍では、溶けてしまうから、とアイロンをしたことはありませんでした。

前回の半襟刺繍でアイロンをかけるとキラキラっと刺繍が輝き出す経験をしています。ぜひともかけたいところです。

なので、思い切って実際使うものをアイロンしてみました!もちろんじかにではなく、半襟の時と同じに高温で半紙をかぶせてアイロンしてみました。結果は………..( ̄◇ ̄;)

大丈夫でした♪☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆

良かった!案外熱に耐えられるんですね〜。これで心置きなく刺繍ができます

 

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加門七海の”着物憑き”読んでみてドキドキ

今、日本刺繍と着物に夢中になっているイキオイで、

加門七海の『着物憑き』、読んでみました。

小説なのかエッセイなのかわからない不思議な読み物です。

着物周りの小物の勉強になればと読み始めました。

が、ちょっとだけ怖い、”怪異”のものがたり。

いかにもありそうななさそうな、着物にまつわる不思議のお話し。

着物が大好きな友人の顔を頭に浮かべつつ、一気に読みました。筆者と違って着物はやはり非日常だし、数も持っていないし高価だし。でも、なんだか少しこの世界に関わって楽しんでみたいなと思いました。

だって、

『着物を着ている自分が愛しくて仕方なかった』

なんて書いてあるんですよ!この気持ちわかる〜と、激しく共感してしまいました。この感覚、着物に袖を通した人ならではです

日本人は『布好き族』、だから着物にネックレスなどの宝飾品は現れなかったとも。

う〜ん、そうかもね。でも、絵で見ると細川ガラシャの着物姿にクロスネックレスの肖像画とかも素敵だなあ、などと思いを巡らし、ますますのめり込みそうな自分を確認したのです(^_^;)

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

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着物を着るということ〜半襟から始まった着物への思い〜

最近は”和”に寄った日本刺繍中心の作品を発信してきました。そして、

制作した半襟(唐花と雪輪)をつけた着物を着てみました。

なんだか短くなりつつある秋をいとおしむように、銀杏が黄金色にひかり輝く美しい日でした。

着物はなかなか着る機会がなく、やはり一人では着ることができません。けれど、

 大好きです。

なんといってもその着心地!成人式の振袖から着物を着たのはおそらく10回ほどですが、不思議と窮屈だとか苦しいと思ったことがありません。むしろ体が優しいコルセットにくるまれているようでここち良いのです。

そして襦袢のとろりとした絹の肌触り

これはちょっと他の衣装では感じることはできない感触だと思います。豊かで優しい感触は着ている自分自身がとても大切に扱われている気がします。一気に自己肯定感が高まります。

体を一枚の布で覆っているように見える着物スタイルはなんといっても豪華で、街なかを着物で歩けばとても目立ちます。いつもの5倍は褒めてもらえます。

ところで、前々から疑問に思っていることがありました。知識がないだけかもしれませんが、アクセサリーがないのです。もちろん指輪やかんざし、根付、帯留め、扇子など、ないわけではありません。でも、なくても構わない感じです。というより、着物だけで完成していて、必要ではないのかもしれません。

着物、帯、帯揚げ、帯締め、半襟などそれぞれの色や柄、素材の組み合わせでハイスペックなおしゃれが楽しめ、個性を表現できる素晴らしい装束です。

なので、日本刺繍を習い始めた時、必ず素敵な半襟を刺してワンランク上の着こなしをするぞ、と心に決めていました。

今回着付けてくれた美容師さんは、『今まで振り袖の着付けを何度もしたけど、こんなに綺麗な半襟は見たことがないから、できるだけ襟が見える着付けにしましょう。』

そして、写真を撮る時着崩れを直してくださったマダムも、『素敵な半襟ね〜、キレイね〜。』

最後に、着物をクリーニングに出す時呉服屋さんに、『こんな綺麗な半襟はつけると汚れちゃってもったいないから、洗ったら額に入れて飾りなさい。』!!!!(◎_◎;)

などなど、最高のお褒めの言葉をたくさんの方々からいただきました。ワンランク上の着こなし、できたでしょうか。

余談ですが、この着物を着るときの襦袢にはもともとミシン刺繍した半襟がついていました。その状態で着ていた時は、揺れないタイプの、耳たぶにフィットする真珠のピアスをいつも付けていました。似合うと思っていました。でも、今回はつけませんでした。手刺繍の半襟にはやっぱり不要に思えたからです。使った帯締めは金とピンクのリバーシブルだったのですが、美容師さんが、『ピンクかな、と思ったけど、半襟を生かすには帯に同化する金の方がいいわね。』と言ってそうしました。半襟の力、恐るべし、ですね!

いい気になって、帯も刺繍してみたい、利休バッグも、数寄屋袋も、袱紗も、とますます着物への思いは強くなっていきます。

最後に、あまりに銀杏と私の着物のハーモニーが素晴らしかったので(自分で言っちゃう(//∇//))後ろ姿の写真もお見せします。お付き合い、ありがとうございました。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

 

 

 

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利休バッグ『ティアラと蝶々』制作過程1

”和”の蝶の刺繍シリーズ、今度は『ティアラと蝶々』です。デッサンです。

以前からずっと、是非ティアラをテーマにした作品を作りたいと思っていました。

ティアラ、女子なら誰もが一度は憧れますよね結婚式でつけた方も結構いらっしゃるのでは(^-^)

最近お気に入りの蝶々のモチーフと組み合わせました。蝶々は再生を意味します。

畏れ多いのですが、ティアラと蝶々、新皇后様へのエールも込めて作ることにしました。

日本刺繍メインで、クリスタルやビーズをちょっと使うつもりです。メタリックな素材を活かすため、黒字に金の織りがある絹地を使います。

今回は和装バッグの王道、利休バッグを作ります。縫製もするので、ドキドキです。

バッグの制作歴は7年ほどですが、利休バッグは初めて!うまくできますように!

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静嘉堂文庫美術館と仕覆

世田谷の静嘉堂文庫美術館に行ってきました。

東京とはいえ、神奈川の我が家から比較的近いので、車で行きました。

林の中にあり、美術館の門をくぐってから駐車場までは狭い一本道なので対向車がいないかととても緊張しました。

静かでとても素敵なロケーションです。

ここは東洋古美術品の美術館。テレ東の『なんでも鑑定団』に出てくる陶磁器などの美術館、というイメージで今まで訪れたことはありませんでした。

けれど、今回はこの美術館初の”染織”をテーマにした展示、『仕覆〜しふく』の企画展でした。

『仕覆』とはお茶の茶入れや茶碗をすっぽり包む袋です。

私はお茶を嗜んではいませんが、以前からこの可愛らしい仕覆がとても気になっていました。

こちらがその画像ですが、可愛いでしょ?

紐結びのキュートさやそれぞれの柄、また中に入れるものによって形が変わる面白さなど目を奪われます。

一つの茶碗に、まるで着せ替え人形の衣装のように何枚も仕覆があるものもあり、お道具に対する愛情と遊びごころが感じられて見ていてとても楽しくなりました。

お茶時の敷物やお道具の入れ物などもたくさん展示されていました。

豪華な刺繍や古典模様の思いがけない組み合わせを楽しみ、植物や動物、ヨーロッパやアジアの国々と影響し合う文様に触れ、有意義な時間を過ごしました。

茶道もいつか経験したいです。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

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半襟『唐花と雪輪』4 完成!

とうとう『唐花と雪輪』、完成しました!

シックに、と思っていたのにやっぱり華やか。

これがやっぱり私なのかな

きっと私のからだの中の『色のタネ』は軽やかでキレイなものなんでしょう。

とても気に入っています。

今回刺しながら何回も心に浮かんだのは『静謐ーせいひつ』という言葉。

人間のすることは、国が違えど似通っていることがたくさんあります。

やはり日本刺繍とヨーロッパ、他のアジアの国々、また南米の刺繍にも同じテクニックを使っているステッチがあります。

けれど同じに見えて全く同じではありません。

私の私見ですが、スピード感、躍動感、生命力をストレートに前面に出す西洋の刺繍に対し、日本のものは『静謐』が重要視されている感じがします。様式美、が近い感覚かもしれません。うまく言えませんが (*´ー`*)

今回の作品ですが、自分では「変わり水玉」的なものを作りたい、と思って完成させました。完成作品を見て、あ〜、と気づいたことがあります。

令和皇室のお代変わりの報道に随分影響されていますね!

十二単の模様(→唐花や雪輪の丸いデザインに)や皇后陛下のお衣装の配色(→蝶々の配色)が私の中に入り込んで今回の作品に無意識に投影されたのだと感じました。

自分でも驚きです。

 

ところで、前回作成した『枝垂れ桜の半襟』の全体像をお見せしていませんでした。

こちらです。

自分でも思いますが、半襟って、身につけるとちらりとしか見えません。

ちょっと勿体無いような……..。

それでも作品としてトータルに素晴らしいものにしたい、とやっぱり頑張ってしまいます。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

 

 

 

 

 

 

 

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半襟『雪輪と唐花』3制作過程蝶々が好き

今回も制作過程です。

今とてもお気に入りのモチーフ、蝶々をまた左襟に入れてみました。

前回の枝垂れ桜の時に使ったデザインですが、色や糸を変えると全く違う雰囲気です。

今回のものの方が私好みかも

美しい金糸がつややかな絹糸に映えて日本刺繍っていいな、と嬉しくなります。

どちらかというとより糸より、はんなりとした輝きの釜糸で刺す方が好きでしたが、今回より糸の抑えた硬質な感じの輝きもステキ!と思いました。

たくさんより糸を作って刺した事で、感じていた糸よりへの苦手意識がなくなりました。

それにしても、今回はシックな色使いで、と考えていたのにやはり華やかな感じになってしまいます。この色使いが私の個性なのでしょう (*´ー`*)

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半襟『雪輪と唐花』2制作過程

外国にいる家族が一時帰国したり、旅行に行ったりして一週間ほど何もできない日々が続きました。

やっと刺繍再開です!

この写真は右襟。明日中にできるかな。やっぱり無理かなあ。゚(゚´Д`゚)゚。

左はまだだから、急げ急げ、です。

前回刺した枝垂れ桜の半襟は糸をよらない釜糸だけを使ったけど、今回は太さや本数、より糸、釜糸などいろいろ混ぜて使っているのでなかなか手間がかかります。

シックな色使いで、例えば白と金糸だけで、なんて考えていたのですが、やっぱり色を使いたくなってしまいます。

多分、私の体の中に『色の種』みたいなものがあって、いつでもキレイなカラーハーモニーを欲しているのかな。

しかたないですね ( ◠‿◠ )

写真のお仲間に、『最近日本刺繍ばかりしてるのね。オートクチュール刺繍はどうしたの?』なんていわれてしまったのですが、どちらもとても大切に思っています。もちろん両方ずっと続けていくつもりです。

ただ、お着物の色合わせには洋服では考えられない、はっとさせられる色合わせが多くあります

今はそのゴージャスなカラーハーモニーに夢中なのです。

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刺繍の日と半襟刺繍『唐花と雪輪』

今日は11月4日、『刺繍の日」だそうです。

『いいししゅうの日』からの語呂合わせなのでしょうか。

そんな日に合わせて、半襟刺繍をまた始めました。

下の写真上部にちらりと写っているのが私の小紋のお着物です。このお着物に合わせて刺繍します。

更紗模様のお着物なので、”唐花”のモチーフを選びました。これは中国のお花をデザインした伝統模様です。外国のお花なので、着る季節を選びません。

思い出したのですが、私の成人式の帯も唐花模様でした。吉祥模様ですからおめでたい席にぴったりだったのですね。当時は何も知りませんでしたが。

唐花だけでなく、私の大好きな日本の伝統模様の”雪輪”も一緒にデザインしています。こちらも吉祥模様で季節を選びません。

今お見せしているのは一部ですが。

前回のしだれ桜で刺した蝶々も参加します。

今回は小紋に合わせるという事で、白と金だけにしようかとも思ったのですが、やはりカラーハーモニーを重視した色遣いをしようと思います。

少し落ち着いた色味のデザインにするつもりです。

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蝶の帯留めで思うこと

作ってみました。蝶々の帯留め。

なかなか可愛くできたと思います。

が、私的にはちょっとザンネンです。゚(゚´Д`゚)゚。

なぜかって?

それはなんだかカジュアルだから。

小紋や紬にはいいかもしれないけど、色無地や訪問着にはどうかな。着こなしを引き立てず、品格を落とすものでは意味ありません。

原因は多分立体感。

3D刺繍アーティストを自認してるのに!

先に刺した半襟とお揃いで、の思いで作りましたが、とらわれすぎて工夫が足りなかったようです。

もっとオレンジの羽根部分をあんこを入れてせりだすように刺せばよかったかな、とか家紋のように丸枠に入れてもっと繊細な表現にして芯を入れてくるみボタンみたいなぽっこりした半球状にすればよかったかな、と思いました。

帯留めは初めて作りました。

なんでもやってみないとわからないものですね。

洋服と違い、お着物はもう少し心を砕かないといけないかも。まあ、あんまり詳しくないのも一因かもしれません。

『美しいキモノ』とかよんで、勉強します(^-^)

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

 

 

 

 

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