コアラと蝶の刺繍のバッグ、もう一度写真を撮りました

ちょっと訳あって、以前の作品ですがコアラと蝶々のバッグの写真を撮り直してみました。

撮影は私の写真の師匠、Ouchi de CAMERAのこいけさとみ先生です。

まずはコアラのバッグ。ライトベージュのスプリングコートに持ってみました。なんだかとっても可愛いでしょ♥

いつも作品を作るときにはありったけ心を込め、丁寧に、をモットーにしています。コアラちゃんが見る人に語りかけてくれたらいいなあと思います。

そして、ちょっとお恥ずかしいのですが、こちらの写真。

蝶々のバッグを持った私です。とても楽しげに撮れました。

以前写したものがこの写真です。この蝶々のバッグ、不思議なことに、写真写りが悪いのです。

実物を見て、『とっても素敵!でも、ネットで見た時は魅力を感じなかったのよ、なぜかしら?』とおっしゃった方がいらっしゃいました。

私も、なんだか写真だと良さが伝わらないな、と感じていました。スパンコールの質感が伝わりにくいのかもしれません。

そこで、それではかわいそう、と再度さとみ先生に撮っていただきました。アップではなく、持って楽しんでいる様子ですが。

でも、とっても今回はhappyに撮れて満足です。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

 

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モードなパンジーの花束のコサージュ、制作過程

実際にはなかなかお目にかかれないパンジーの花束。

それを女性のお顔の近くに咲かせたいと思って制作中です。そして、白から黒へのグラデーションでモードな感じに。

サンプルで作ったのは画面中央の完成した一花。やや大きいので、今刺しているのは前回よりちょっと小振りなサイズです。組み立てると一回り小さくなるので、大きさの加減も気を使います。

そして何よりツヤ感!サンプルで使用したのは絹糸とシルクレーヨン糸です。でも絹糸になぜか違和感を覚えました。

以前他の作品で使用した京都のお店のものよりもなんだか大まかで、野暮ったいのです。

使用したのは京橋の老舗刺繍店の越前屋さんの絹糸。他のものがないかとまたお店に行ってみました。

すると、やっぱりありました!以前買ったものとは別の場所に、素晴らしく繊細な輝きを放つ美しい絹糸が

『こんなところにあった〜!どうして前に来たとき気づかなかったんだろう…。』夢中になって選び、お店の方と刺繍について話し込んでしまいました。

聞けば以前買ったのは中国産の絹糸との事。今回見つけたのは国産の絹糸です。お値段も違いますが、やはり繊細さ、艶やかさが断然違います。

この写真だとちょっと分かりづらいかな。

この写真のセンター3枚が新しい絹糸で刺したものです。やはりちょっと分かりづらいかもしれません。写真を今回、私の写真の恩師、こいけさとみ先生に撮っていただいたのですが、先生は『そう言われれば….。』とおっしゃっていました(笑)

夫にこのことを話すと、エンジニアである彼が、『そうなんだよね、チタンも国産と中国産のものは違うんだ。やっぱり手間をかけて作ったものとそうでないものってわかるんだよなあ。』と言っていました。

中国の方にはちょっと失礼だけど、日本人の仕事ってやっぱり丁寧ですごいなあと改めて思いました。

今、絹糸にとっても興味があるので、実は日本刺繍の講座に通い始めました。

絹糸の扱い方をきちんと学びたいからです。日本刺繍は絹糸を多くの場合自分でよって使います。そのお話はまた次の機会に。

そして、立体刺繍を確認したくて、同時にイギリスの刺繍、スタンプワークも習い始めました。こちらも独学で、できてはいるのですが、やはり新しく学べることがたくさんあるのでとても興味深いのです。

長くなりました。最後まで読んでいただいてありがとうございました。

 

 

 

 

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刺繍で満喫する満開の桜

厳しかった寒さの反動か、まるで爆発するかのように、あっという間に桜が満開ですね🌸🌸🌸🌸🌸

そして、この短いシーズンを味わい尽くしたいと、家の中やファッションも桜にしてみました。

毎年恒例の玄関の桜たち。

壁の京友禅のタペストリーの桜のぼんぼり。ぼんぼりってなんだか語感が春っぽいですね。来年はスタンプワークで立体的な桜のぼんぼりがさせたらいいなあ。

そして、食卓のテーブルコーディネート。ピンクのスウェーデン刺繍のテーブルセンターやベージュのハーダンガー刺繍のテーブルトップを桜模様のテーブルクロスの上に幾重にも重ねます。まるで家の中でお花見している気分です。

仕上げは桜の刺繍ブローチ。いつも洋服に穴を開けたくなくて、ピンクのパールネックレスに留めつけます。

以前通った刺繍スクールのキットです。桜が咲く時のお出かけには毎年大活躍です。

美しい桜に触発されるのか、この季節は綺麗な色を身近に置きたくなります。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。すっかり身体の中が桜色になったでしょ?

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刺繍のパンジー、組み立ててみました

前回アップしたパンジー、カットして組み立ててみました。

 

やっぱり立体になると、可愛さが断然違います!

でも、予想したよりちょっと大きめ。5、6輪組み合わせたいし、リボンもつけたいので、ひとまわり小さめに刺し直します。

 

黒やグレーも素材、テクニックはこんなかんじでいいでしょう♥♥♥

 

今回刺したサンプルは、チョーカーにでもしたら素敵だと思います。

 

さあ、大きな枠に図案をたくさん描いた布を張り、本刺しスタートです!

 

 

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パンジーの刺繍コサージュのためのサンプル刺し

モノトーンでパンジーを刺繍し、コサージュを作ろう、と決めてから随分かかりましたが、やっとサンプル刺しができました。

 

パンジーのメインの刺繍は美しい糸刺繍で、ビーズやスパンコールはそれを引き立てる程度に。シルクチュールの花びらのものも刺してみました。ブレードを利用して、アクセントになるリボンをモードな感じで添えよう、と計画しています。

そして、コサージュだけではなく、ストーリーを持たせて、ブレスレットやネックレスもパンジーモチーフを利用して作ろう、と思っています。パーティーバッグもいいな。色々なものに展開できるのが自分の強みだと考えています。

 

しばらく写真に夢中で、刺繍していませんでしたが、色々なお店やイベントに顔を出して材料を買いためていました。

写真からも色々なことを学べていると思います。

そのものが持っている一番美しい面を見つけて引き出す、物語を構築する。

こういったことは、刺繍する上で大事なインスピーレーションになっています。

 

写真のパンジーはこれからカットして、組み立てます。カットワーク部分にワイヤーを入れているので、立体的に造形することができます。

まだサンプルなので、修正点を見つけたり、黒やグレーの花や後ろ向きの花、つぼみや葉なども材料を決めて刺したり、やることはたくさん有りますが、とても楽しい作業です。

 

自分でも不思議なのですが、刺繍だけしていた時より、写真を撮ったり、革を扱ったりと寄り道をすると、なぜかより刺繍が上手に、楽に、呼吸するようにできている感じがします。

図々しいのを承知で言えば、人間的な、精神的な余裕が膨らんでくる?からなんでしょうか(笑)

久しぶりの刺繍があまりに楽しくて、『こんな事をしたくて私は生まれてきたのかも』なんて思ってしまいます。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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写真レッスン 出演を待つデビュッタントプリンセスたち

写真レッスンで、八王子にあるハレノヒ食堂さんにいって来ました。

フォトレッスンランチ会でした。

ハレノヒ食堂はアンチエイジングベジレストランです。

こだわりの有機·無農薬野菜をたっぷり使い、添加物を一切使わない安心なお料理を提供してくれます。そのお料理はアーユルウェーダとフレンチを融合させた、美味しいのはもちろんですが、驚くほど色彩豊かで美しく、女子力アップが望めるものです。

 

オーナーシェフのキャシーさんが私の写真の師、小池さとみ先生の元生徒さんだったご縁で実現したランチ会です。

今回はビュッフェスタイルで、なおかつ動きのある写真も撮れるよう、お料理の過程も撮らせていただきました。

正直、あまりにも美しいインテリア、お料理だったため、どの写真をアップすれば良いのか悩んでしまいます。

 

いくつかお見せしますね。タイトルは『出演を待つデビュタントプリンセスたち』です。美しく並べられたグラスの中のお料理などが、まるで社交界のパーティーデビューを待つプリンセスのように見えたのです。

可愛いですよね♥まだまだあります。

 

そして、

この写真などは、まるでお花の間から顔をのぞかせるプリンセスたちのようです。

何も加工をしていないのにこの美しさです!

 

前述の写真の角度を変えたものですが、ダンスを待つドレスを着たプリンセスたちに見えませんか?

そしてこちらはダンスが終わり、ちょっとくつろぐプリンセスたち。

 

そんな乙女な想像を膨らませてしまうほど、素晴らしい食卓でした。

キャシーさんは、『お料理というより、工作感覚なの。』とおっしゃってましたが、本当に食べてしまうのは惜しい美しさでした。彼女の豊かな色彩センスは人の心をざわつかせるものがあると思います。美しいものを形にする、を目標にしている私には、とても勉強になりました。

なかなか落ち着かず、刺繍に取り組めていないのですが、ものすごい刺激を受けました。胸が痛くなる、という感覚でした。

 

お味ももちろん最高です。参加者全員、撮影の後は、美味しい美味しいの大合唱でした。

こんな風に各自プレートに盛り付けていただきました。至福のひと時でした。

他にもまだまだ美しい写真が撮れています。こちらはいちごのスパークリングビネガー(!)を注ぎ終わる瞬間です。可愛らしい雫が取れて、大満足です。

 

こちらの二枚はテリーヌとデザートです。

 

あまりの美しさにたくさんたくさん写真を載せてしまいました。力のあるアーティスト、アルチザンにはよくあることですが、シェフのキャシーさんも大変魅力的な方です。またぜひ伺いたいと思いました。

 

自分の作品写真を上手に撮るために始めた写真ですが、カメラを使って絵を描く、という感覚がたまらなく嬉しくて、夢中になっています。

昨年の個展以来、作品発表が滞っていますが、たくさんたくさん色々なものを見、体験して自分自身にインプットしています。さあ、これからはアウトプットしていくぞ!と決意を新たにしています。

最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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今右衛門の色鍋島に触発されて

そごう美術館で開催されている『今右衛門の色鍋島 人間国宝の技と美』展に行って来ました。

色鍋島とは肥前(現在の佐賀県と長崎県の一部の旧国名)鍋島藩の藩窯、大川内窯で生産された色絵磁器の事で、藩政時代には主に献上用、贈答用として製造されたそうです。

簡単にいえば、特権階級のための特別な磁器だったというわけですね。

平日の午後4時過ぎという時間に行ったせいか、鑑賞している人はまばらで、ゆっくり堪能することができました。

 

とにかく感動!の一言でした。14代今泉今右衛門氏にお会いしたい!と思ったほどです。(笑)

伝統的な美しい色や意匠の素晴らしさは勿論なのですが、なんといっても感動したのはモダンな新しいテクニック、墨はじきプラチナ箔でした。

まず、下の雪の結晶とシダの模様に使われているのが墨はじきです。簡単にいってしまえばグレーのグラデーションですが、モダンで美しいな、と感じました。今、私自身がモノトーンに心惹かれているからでしょうか。

雪の結晶とシダの葉というモチーフもオシャレですよね。アクセサリーとして展開できそう、と感じました。

こちらの写真はプラチナ箔のざくろです。見る角度で色が変わって見えるこの箔はゴージャスで魅力的です。ざくろも可愛いモチーフだと思います。

そして、前からよく知っていたはずの『雪輪』の模様が強く心の中に入り込んで来ました。今右衛門の作品の中に、とてもモダンに使われていたのです。見ていてドキドキしました。残念ながら写真がないので、別の資料から引いてみました。こちらはいかにも和風で伝統的な模様ですね。

今右衛門展では雪輪の輪郭の中に雪の結晶があったりして、これも女性のための装飾品のモチーフにぴったりなのでは、と思いました。中の模様を色々変えるというのは昔からよくあるようですが、この輪郭はなかなか素敵!と改めて思いました。

 

私は、いつも魅力的なモチーフ、表現方法を模索しています。

 

なので、美しいものの展示会があると聞くと飛んでいきます。今右衛門展と同時期にラリックの香水瓶の展示会にも行きました。そちらも本当に素晴らしかったです。図録ばっかり増えて困るなあ(>_<)

今回は磁器なので、正直何度も見て来たものだし、古典的な模様も結構知っているし、とあまり期待しないで足を運んだのですが、自分の知識の浅さに呆れてしまいました。

会場には14代今右衛門氏のビデオが流れていたのですが、人間国宝となった今でも(まだ50代なので十分お若いのですが)、先代達へのリスペクトを抱きながら新しい技法にチャレンジするとおっしゃっていました。

小さな私の狭い知識と乏しい経験にとらわれず、スピードを持って制作していこう、と決心した一日でした。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

3D刺繍アーティスト:Junco Ishihara (石原順子)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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モノトーンのパンジーの刺繍コサージュのためのスケッチ

次回作品はモノトーンのパンジーがテーマです。

スケッチを起こしてみました。白から黒へのグラデーションです。

個人的には綺麗な色を組み合わせたものが好きですが、友人が白や黒のコサージュでおしゃれなものがなかなかなくて、結婚式や入卒業式に欲しいのに、探すのに苦労しちゃった!というので作ってみることにしました。

それに、モノトーンはやっぱりモードな感じで魅力的ですよね!

コサージュはバラやダリアなど、存在感のある花が一般的ですが、パンジーのような可憐な花も素敵だと思います。

パンジーの花をグラデーションでたくさん作って組み合わせ、コサージュ2種(白ベースと黒ベース)とネックレスを作ります。

今回、花は絹糸メインで刺繍します。写真に写る白と黒のブレードなどを楽しく使って、個性を出したいと考えています。

全体の構成もちょっとひねって、コサージュによくある丸い形にはしたくないなと思っています。

絹糸やブレードも他のものがないか、ちょっと材料屋さんをのぞいて、検討したいです。

とにかく出来上がりを想像して、ワクワクしています

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今後のスタイル。着物、日本刺繍から見えてきたもの

個展が終了してからずっと考えていることがあります。

今後、自分の作品のスタイルをどうしていくか、ということです。

個人的には、華やかで、装いの主役になるようなハンドバッグを普段から多くの女性に持って欲しい、と思っていました。

 

でも、個展に来てくださった方々から、『美しい作品だけど、どこに持って行ったらいいの?』とか、『パーティ用なら良いのだけれど…..。』『アクセサリーは作らないの?』などのご意見をいただきました。

11月の個展では、デモンストレーションの意味もあり、大きめな作品が多かったのですが、プロとしての販売を思えば、実用的なものにやはり注目していかなければなりません。お求めいただき、使っていただいてこそが、プロの仕事なのですから。

そこで、刺繍バッグは小さいパーティー用、またはお着物用のものだけ、コサージュやブローチ、帯留や鼻緒(場合によっては半襟なども)などのアクセサリー類に当分絞っていこうと思います。刺繍のない革のバッグは、オーダーのあるものだけにするつもりです。

 

そう考えていたら、見てみたい!と思える展示会が2つありました。

着物コレクター、デザイナー、コーディネーターとして活躍された、池田重子横浜スタイル展と、日本刺繍の大家、草乃しずか展です。

まずは池田重子横浜スタイル展に行きました。存じ上げなかったのですが、残念なことに平成27年に故人となられていました。以前、何かの展示会で、2、3点そのコレクションを見たことがありました。数は少なかったのですが、洗練された配色などとても印象的だったことを覚えています。

こちらが今回の展示会のフライヤーです。

拝見して、池田先生の膨大なコレクションとお仕事に衝撃を受けました!

まず、こんなに季節感を表現できる衣装が、世界の他の国にはあるのだろうか、という驚きでいっぱいになりました。春夏秋冬それぞれを連想させるモチーフのお着物、ということはもちろんですが、半衿や帯留めのコーディネートが尋常でなく、ドラマティックで美しいのです。

池田先生ご自身は、『日本の美は四季によって生み出されるから、季節感は欠かせない』『横浜生まれだから、京都のはんなりよりも粋な感じの江戸好み。大胆にして繊細、粋に走りすぎず野暮にならず、ギリギリの線を見極めるよう心を配る』とおっしゃっています。(展示会図録より)この独特のスタイルを横浜スタイル、と命名されていました。

お言葉通りの素晴らしいコーディネートやそれを構成する一点ずつの展示物の放つオーラに圧倒されてしまいました。

そして、私もこんな風に、人の心を掴み、ドキドキさせるものを私の手の中から生み出したい、と思いました。

 

この素晴らしい展示会から間をおかず、今度は日本刺繍の草乃しずか先生の展示会にも足を運びました。

私のするオートクチュール刺繍は、ビーズやスパンコールを多用します。でも、かえってそのせいなのか、糸刺繍の美しさにとても心惹かれます。

様々な素材を駆使するオートクチュール刺繍の中で、糸の上品な輝きが際立つような気がするのです。喩えて言えば、カラフルな宝石類の中の真珠、といったところでしょうか。

レーヨン糸や絽刺し糸はもともと好きでよく作品に使うのですが、最近京都で求めた絹糸を使ってみて、その美しさの虜になってしまいました。今後はもっと糸を重視した作品を作りたいと思っています。

なので、是非草乃先生の作品も拝見したかったのです。

日本刺繍は基本、絹地に絹糸で刺す刺繍です。ウール、木綿などが中心のヨーロッパ刺繍とは素材がまず違います。

それは、主に上流女性の嗜みとしても発展したヨーロッパ刺繍と違い、日本刺繍は職人さんがする、製品を生み出す工芸技術として発展したからでしょうか。

また糸は日本刺繍はよりをかけて使いますが、ヨーロパ刺繍はむしろ糸のよりを戻し、フラットにして使います。(どちらの刺繍も刺繍の種類によって違う場合もあります)

明治以降は女子大などでも多少は学べたようですが、草乃しずか先生が教えてくださるまでは、ほとんど一般の人は日本刺繍を体験することはできませんでした。

テクニックは私が学んだフランス刺繍とほぼ同じです。

今回、幸運にも草乃先生のスタッフの先生による体験ワークショップに参加することができました。

これは、ワークショップの体験キットで製作したコンパクトミラーです。

手のみで刺す刺繍は久しぶりでワクワクしました。あ〜私って、やっぱり刺繍が好きなんだ!そう思いました。

『あら、あなたフランス刺繍の経験者なのね。だったら話が早いわ。』と、講師の先生に言われてしまいました。

実際経験してみると、確かにテクニックはフランス刺繍とほぼ同じです。でも、糸の扱い方や、針の出し方がやはり違います。それに、刺繍に対する考え方もやはり違う気がします。

私が学んだフランス刺繍の先生は、『針目がびっしり詰まっているより隙間が開く方がいいのよ。後から刺し足したりしないようにね。』とよくおっしゃっていました。これはのびのびとした空気感を表現し、勢いを出すように、という意味だと理解しています。またそれが個性につながる、ともおっしゃっていました。

でも、日本刺繍の今回の先生は、隙間が開くことを『気持ちが悪い、開いちゃったところは後で刺し足してね。』とおっしゃいました。

確かに草乃先生の作品は、緻密で静謐な感じです。そしてそれが無個性だ、というわけではありません。制約の中で、静かに主張している、といった感じでしょうか。

どちらがどうということではなく、やはり民族性、国民性の違いなのだな、と思いました。

ワークショップ終了後、ゆっくり作品を堪能したのですが、やはり素晴らしかったです。

歴史上の女性をイメージして制作された美しい振袖が何点もあったのですが、きっと来場された方々は、私だったらこれが来てみたい、と思われたのに違いありません。

また日本に古来からある伝統的な模様のサンプラーもたくさん展示されていました。とても興味深く、デザインの参考になりそうなものがたくさんありました。

以前から、和装に関するものに興味がありました。お着物が好き、という単純な想いからでしたが、今回、この素敵な表現に自分も加わりたい、と思いました。

2つの素晴らしい展示会のおかげで、これからの作品作りがより充実したものになるような気がします。

しばらくお休みしていましたが、材料を揃え、これから季節の花のコサージュに取りかかります。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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初詣、楽しくて気持ちの良い一年のスタートが切れました!

少し遅いですが、明けましておめでとうございます。

今年は4ヶ所も初詣に行きました。

いずれもまさに″神域″といった感じの空気感が清々しく気持ちよく、心も体も新しいものへと入れ替わった気分です。

今回写真は撮らなかったのですが、まず伊勢神宮内宮に参拝しました。

夫の実家が三重県にあるので、初詣に限らず、毎年のように訪れます。神宮参道のおかげ横丁やおはらい町での食べ歩きもまた楽しみです。

神宮内には美しい立派な松がたくさんあります。いつも吸い寄せられるようにその幹を触ってしまいます。温かくて優しい感触が大好きで、エネルギーをいただいているような気持ちになります。

次は最も夫の実家近くの鹿島宮へ。

こちらも毎年参拝します。地域の身近な氏神様です。引いたおみくじは中吉でした。ちょっと気落ちしたのですが、Apple社CEOを驚かせ、さらに賞賛させた82歳のプログラマー、若宮正子さんが、『去年、年始に引いたおみくじは末吉であまり期待していなかったのに、三月くらいから良いことばかりどんどん起こった。』とテレビでおっしゃっていたので、あんまり気にしなくて大丈夫だ、と気を取り直しました。

そして奈良の橿原神宮へ。

夫の実家はほぼ三重県と奈良県の県境にあるので、案外奈良も近いのです。

この写真は橿原神宮外拝殿です。戌年らしく大きな絵馬が掲げられ、たくさんの参拝者で賑わっていました。緋の袴を身にまとった可愛らしい巫女さんも大勢いました。

神武天皇を祀るこの神社はパワースポットとしても有名なようです。脚が3本ある八咫烏をシンボルにしています。

様々なお守りに八咫烏のデザインがされています。なんと蹴球守り、つまりサッカーのお守りまでありました。確かにサッカー日本代表のユニホームには八咫烏がありますね。小学生を連れたお父さんが買い求めていました。

写真の外拝殿をくぐり抜け、内拝殿で参拝をしました。お祈りをしていると途中から急に背中が温かくなりました!これはもしかして神様が気にかけてくださったのかしら、とちょっと嬉しくなりました。

そして、この神社の境内にある長山稲荷社にも足を運びました。

入り口から数本目の鳥居からお社を臨んでいます。

こちらは反対にお社から入口の方を撮っています。

奉納された鳥居が緩やかにカーブし、適度な間隔で収められているせいなのか美しくて少し不思議な、でも安寧で神聖な空気が感じられました。

最後は南足柄市にある大雄山最乗寺です。つい最近テレビで知りました。車で一時間ほどで行ける距離にあるお寺ですが、その立派さにびっくりしてしまいました。

詳しい縁起はわからないのですが、大きな天狗像がたくさんありました。

なんともダイナミックで素晴らしいですね。古の人々が、この山寺の山にはこんな神様がいると想像するのは自然な事だと感じました。

この2体の天狗像は、山の上の奥の院に通じる千段の階段の両側にあったものです。

こんな風です。階段を登る人々を見つめています。

この赤く巨大な下駄は天狗のものなのでしょう。二つでワンセットという事で、夫婦和合の象徴だそうです。

千段の階段を登るのは正直きつかったのですが、空気は清々しく爽やかで、参拝だというのにちょっと変な表現ですが、とても楽しかったです。参道は紫陽花の茂みに縁取られていました。満開の時にまた来たいです。紅葉も素晴らしいとの事、秋も良いですね。

新春、それぞれ素敵な神社やお寺に初詣することが出来ました。どこも素晴らしい空気が流れているように感じました。一緒に行った夫が、『気持ちいいね〜』を連発していました。

良い一年になりますように!この長いブログを読んでくださった方々にとっても、素晴らしい年になりますように!

 

 

 

 

 

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